東急不動産ホールディングスグループが関わる不動産事業においては、住宅・オフィスビル・商業施設・リゾート施設などの開発から運営は長期間にわたること、かつ多くの関係者が関わるため、適切な環境対応を行うには、ステークホルダー(設計会社・施工会社・お客さまなど)と協働してサプライチェーン全体で取り組む必要があると認識しています。
また、その事業活動において多くの地球環境資源を利用しているので、エネルギー利用・水資源保全・生物多様性保全・省資源・汚染物質と廃棄物の削減と適切な処理等についても、サプライチェーン全体で取り組む必要があると認識しています。
-エネルギー利用-当社グループでは、全ての施設においてエネルギーの効率的な利用と再生可能エネルギーの利用を推進し、事業活動によるCO2/GHGの排出が気候変動に与えるインパクトを抑えるよう取り組みます。
-水資源- 地域・時期に応じた適切な水資源管理および水資源の効率的な利用は、ステークホルダーと協働して取り組む必要があります。また、当社グループの事業拠点の多くが集中している日本においては、今のところ慢性的な水不足という事態には至っていませんが、事業活動においては、輸入資材などの生産に使用された水資源、いわゆるバーチャルウォーターを考慮する必要があると認識しています。
-生物多様性保全- 事業活動における土地開発や資材調達などは生態系サービスに大きく依存しています。生物多様性を毀損することは、そのサービスの享受を困難にすることにつながることから、当社グループは、ステークホルダーと協働して、適切な資材調達や開発時の生態系調査を実施し、生物多様性の保全に取り組みます。
-省資源- 地球環境資源は有限であることから、適切な資源利用は重要な環境課題であると認識しています。また、事業に使用する資源は一方通行の大量消費ではなく、3R(Reduce、Reuse、Recycle)の考え方に基づいて、資源の有効利用に努めることが必要と考えています。当社グループは、ステークホルダーと協働して、適切で有効な資源の利用に取り組みます。
-汚染物質と廃棄物の削減と適切な処理- 事業活動における汚染物質と廃棄物の排出を削減することは、企業の社会的責務の一つです。当社グループは設計会社・施工会社などと協働して、汚染物質と廃棄物の排出防止やその原因となる材料を削減することならびに排出する場合には適切な処理を施すことで、環境に及ぼす影響の低減に取り組みます。
当社グループでは、サプライチェーンにおける環境の取り組みに対し、代表取締役社長直轄の「サステナビリティ委員会」を設置しており、その下部組織である「サステナビリティ協議会」において、グループ横断的にマネジメントを進めています。
「サステナビリティ協議会」はグループ各社の環境・サステナビリティ担当者で構成し、共通の方針に基づき、水使用の課題について横断的に、取り組み実績の管理、情報共有を行うことで、事業活動を通じて取り組んでいます。
《定量的な目標》
2022年度100%、2023年度100%
※東急不動産(株)のオフィスビル・商業施設の新築大型物件における
《結果》
当社グループでは、事業のサプライチェーン全体で環境対応を行うために、ステークホルダーとも連携し、LEED、CASBEEなどの環境性能認証の取得に取り組んでいます。
《事例》
2015年11月に「LEEDまちづくり部門」の世界初ゴールド認証を取得しています。同地区は、多摩川など近接する自然豊かな環境に恵まれていることに加え、良好な交通アクセス、高密度でコンパクトな開発、生物多様性、エネルギー高効率化などの取り組みにより高い評価を受けました。
2020年度には、東京ポートシティ竹芝オフィスタワーにおいて、国内トップクラスの卓越した「環境・社会への配慮」がなされたビルとしてDBJグリーンビルディング5スターを取得しました。
そのほか、環境性能表示の取り組みとして、住宅、オフィス、商業施設の開発においてもCASBEEやDBJ Green Building認証の取得を積極的に進めています。
※LEED
米国グリーンビルディング協会が所管する環境性能評価認証
保有する不動産ポートフォリオにおける床面積あたりの水資源利用を、2030年度まで前年度比低減することをめざします。2022年度は床面積あたり水使用量1.4(m³/m²) の目標に対して実績は1.7(m³/m²)となりました。2023年度は1.7(m³/m²)を下回ることを目標としています。
保有する不動産ポートフォリオにおけるCO₂排出量を、2030年度までに対2019年度比46.2%低減することをめざします。
エネルギー利用、水資源、生物多様性保全、省資源、汚染物質と廃棄物の削減と適切な処理といった地球環境課題に配慮して不動産事業に取り組むことは、事業機会の創出、競争力の向上につながると考えています。これらの認識のもと、当社グループは、テナントを始めとするステークホルダーと協働し、事業のサプライチェーン全体で地球環境保全に取り組みます。
従業員の環境意識やサステナビリティ意識を高めるためのプログラムの提供とトレーニング
当社グループでは、グループ社員のサステナビリティ(環境テーマを含む)に対する意識を高めるために数々のプログラムを提供し、トレーニングに取り組んでいます。そして、半年に1回、アンケートを行い、その進捗を確認しています。
東急不動産(株)はサプライヤーである建設会社へサステナブル調達方針を配布し、サプライヤーの環境方針への対応状況を確認しています。もし課題がある場合には連携および協力して対応することにより、責任あるサプライチェーンの構築を目指しています。
(株)東急Re・デザインはサプライヤーである施工会社に対し、毎年、経営者やスタッフに対して安全大会等での研修を実施しています。その中では環境方針について説明し、その浸透に努めています。2021年度は、建設廃棄物の取り扱いや作業時に発生する有害物質による環境汚染の防止対策等について、2022年度は環境方針に則ったサステナブル調達についての研修を行いました。
当社グループにおける環境に対するインパクトとして、建物建設時におけるGHGガス排出や資材調達方法が大きな影響を与える要因の一つであると考えています。そこで東急不動産ホールディングスでは、サプライヤーであるゼネコンに対して、GHGガス排出量および型枠木材認証利用の報告を依頼し、毎年報告を受けています。
東急不動産ではサステナブル調達方針を見積時にゼネコンに提示しています。調達方針の中では、「気候変動への対応として事業活動のみならず商品・サービスのライフサイクルを通じて、エネルギーの効率的な利用と再生可能エネルギーの利用を推進し、温室効果ガスの排出が気候変動に与えるインパクトを抑える。」という内容が記載されており、これによりサプライヤーへの環境に対するインパクトの削減依頼を行っています。
東急不動産ホールディングス(株)では、運営管理しているオフィスビル、商業施設、住宅の賃貸借契約の一部にグリーンリース条項を導入しています。
東急不動産ホールディングス(株)では、運営管理しているオフィスビル、商業施設、住宅の賃貸借契約の一部にグリーンリース条項を導入しています。テナントの皆さまと協働して、施設の環境負荷低減の取り組みや環境関連の法令対応などを積極的に推進しています。
東急不動産(株)と東急不動産SCマネジメント(株)は、「あべのキューズモール」(大阪市阿倍野区)、「あまがさきキューズモール」(兵庫県尼崎市)において、テナントが専有区画においてエネルギー使用量をリアルタイムに閲覧できる大阪ガス(株)のシステム「もっとsave」を提供しています。 テナントはこのシステムを活用して、省エネルギーおよびエネルギーコストの削減につながるようエネルギー使用量を制御・調整しています。
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン環境経営分科会へ参加しています。
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン環境経営分科会へ参加しています。
グリーンフィールド開発に関するコミットメント
東急不動産(株)は未利用地・低利用の農耕地・緑地について、その地域への貢献となるような形での活用に取り組んでいます。
・エネルギー問題と農業問題という二つの課題の同時解決に向けて、営農型太陽光発電事業(ソーラーシェアリング事業)に取組み、2022年12月に「リエネ ソーラーファーム東松山 太陽光発電所」の稼働を開始しました。
・遊休農地の解消を目指し、生産性の高い次世代型施設園芸団地の整備を図るとともに、都市的な土地需要にも計画的に対応する非農用地の創設を伴う土地改良事業の実現に向け、埼玉県白岡市の土地改良事業地区に創設された非農用地区域において、農地転用及び開発許可を取得しています。
スマートメーター(イメージ)
東急不動産(株)は、自社で保有または使用しているオフィスビル・商業施設・リゾート施設など約200拠点において、エネルギーデータ集計システムを導入し、CO2排出量削減に向けて取り組んでいます。エネルギー使用量の「見える化」推進により、オフィスビル・商業施設のテナントが自ら利用するエネルギー量を確認することが可能となり、現状分析による効率的なCO2排出量削減に向けた活動を行っています。
一括受電とMEMS 概念図
(株)東急コミュニティーは、エネルギー管理事業者の「MEMSアグリゲータ」として経済産業省に選定されています。管理受託するマンションに対して、MEMS(マンション・エネルギー管理システム)や、
(株)東急コミュニティーは、エネルギー管理事業者の「MEMSアグリゲータ」として経済産業省に選定されています。管理受託するマンションに対して、MEMS(マンション・エネルギー管理システム)や、高圧一括受電サービスといった、省エネルギーシステムの導入を推進しています。
2014年度は786戸の加入導入を行い、既存マンションでのエネルギー使用削減に取り組んでいます。
2013年に自然調和型リゾートホテルとして開業した「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山&VIALA」は、節水型トイレの採用や山水を積極的に活用することによって上水利用量の節減につなげるなど水資源に配慮した取り組みを行っています。
「東急ハーヴェストクラブ箱根甲子園、VIALA箱根翡翠」でも、敷地内の湧水を循環利用するなど水の有効利用を推進しています。
東急不動産(株)開発したオフィスビル「霞が関東急ビル」では、上水利用量を節減するために、屋上に降った雨水をトイレ洗浄水等の雑用水に利用する設備を導入しています。また、外構の一部には、水の気化熱冷却により路面温度の上昇を抑制する保水性舗装が敷設されており、ヒートアイランド現象の緩和効果が期待されます。
当社は経団連自然保護協議会の一員として、NGOと対話(エンゲージメント)を行っています。
東急不動産ホールディングス(株)では経団連自然保護協議会の一員として関係機関、NGOと対話(エンゲージメント)を行っています。
東急不動産ホールディングス(株)はサプライヤーである建設会社へサステナブル調達方針を配布すると同時にアンケートを実施し、2030年度の環境方針対応率100%を目標に各社の状況を確認しています。
東急不動産ホールディングス(株)はサプライヤーである建設会社へサステナブル調達方針を配布すると同時にアンケートを実施し、2030年度の環境方針対応率100%を目標に各社の状況を確認しています。その過程において課題がある場合には東急不動産(株)と建設会社とが連携して対応することにより、責任あるサプライチェーンの構築を目指します。 2021年度の調査では、建設会社の36%が、取引先に対して生物多様性を含むサステナブル調達方針に対する取り組み状況を確認していました。
国内で建設時に使用されるコンクリート型枠用合板パネルの多くは、南洋材(マレーシア、インドネシア産等)を原材料としており、原産林における環境破壊や先住民からの土地収奪などが問題視されています。そこで東急不動産(株)では、1次サプライヤーである建設会社と連携して対応することにより、建物の建設に使用するコンクリート型枠用合板の原料材における持続可能性に配慮した木材(FSCおよびPEFC認証材並びに国産材等)利用率を、2030年度までに100%にします。2021年度の調査では、建設会社の48%が型枠合板に認証材または国産材を利用可能との回答でした。
当社グループでは、すべての不動産ポートフォリオの中で特に保全上重要な場・種・機能をもつエリアを特定して生物多様性行動計画(BAP)を策定します。該当エリアについては、有識者による生物多様性モニタリングを定期的に実施した上で、その結果を管理計画に反映することで生物多様性の保全に取り組みます。
リゾートタウン蓼科では、別荘地およびその周辺の樹林地等において動植物の生息・生育環境を調査するモニタリングの計画を立て、希少な動植物種や生息・生育環境に対する脅威があれば対策を検討し、緑地の管理計画に生かしていく予定です。
投資プロセスでの目標 ① 電気設備 LED灯の導入、エレベータ制御機器や受電設備の更新等 ② 給排水衛生設備 ...
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東急不動産ホールディングスグループでは、環境への取り組みを真の企業価値とするため、長期ビジョン「GROUP VISION 2030」において「環境経営...
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