Message from the Officer in Charge

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担当役員メッセージ

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サステナビリティ戦略

高度化する社会課題を解決するため、経営戦略と連動したサステナビリティ経営を強化

東急不動産ホールディングス株式会社 執行役員
グループサステナビリティ推進部
グループ人事部 担当

内藤 秀人
サステナビリティ経営を進化

私は、2024年4月より東急不動産ホールディングスの執行役員として、当社グループのサステナビリティ推進および人事を担当しています。

近年、地政学リスクによる不透明な社会情勢や気候変動などの社会課題が深刻化し、企業に求められる責任や期待も高まっています。当社グループは、事業を通じて持続可能な社会への貢献とさらなる企業成長に取り組んでおり、特に「環境経営」と「人的資本経営」を軸としたサステナビリティ経営をさらに進化させることで、高度化する社会課題に対応しています。

全社方針「環境経営」を推進し、環境先進企業としての強みを形成

世界的な異常気象の多発などを背景に、喫緊かつ重要度の高い環境関連の課題については、マテリアリティ「サステナブルな環境をつくる」に整理し、先進的な取り組みを継続しています。具体的には全社方針「環境経営」のもと、「脱炭素社会」「生物多様性」「循環型社会」を注力領域として、環境を起点とした事業機会の拡大と社会課題の解決をめざしています。

「脱炭素社会」においては、東急不動産が自社で大規模に再生可能エネルギー事業を営む優位性を活かし、積極的な事業領域の拡大と各事業部門との連携より、国内事業会社では初となるRE100を達成しました。国内トップクラスの発電量を有するインフラ事業者として、都市における脱炭素社会への実現に貢献しています。

また、不動産業においては「生物多様性」と「循環型社会」への対応も重要な課題です。1998年に環境ビジョンを策定していますが、当時から、不動産業というのは自然の形質に影響を与えるものだと認識していた一方で、自然と共生することにより、お客さまや次世代に新たなサービスや価値が提供できるということも理解していました。事業におけるネイチャーポジティブへの貢献をめざし、2023年度には、2011年策定の生物多様性方針を改訂するとともに、TNFDレポートを発行しホームグラウンドである広域渋谷圏での評価を行いました。また、サステナブル調達でも、サプライヤーエンゲージメントを実施し、検証やモニタリングを進めながらサプライチェーン全体で持続可能な社会の形成に貢献しています。こうした取り組みが当社グループの環境先進企業としてのブランド力の形成につながっています。

環境先進企業としての強みが新たなビジネス機会を創出する

当社グループは、2014年から太陽光や風力などをはじめとした再エネ事業を展開してきました。国内でも有力な再エネ事業者となりましたが、現在は、蓄電池事業やソーラーシェアリング、海外での事業展開など、リーディングカンパニーとして領域を拡大しています。

再エネ事業を中心とした環境ビジネスそのものの収益向上に加え、先述した当社グループにおける環境先進企業としての強みや独自性を、新たな事業機会の創出につなげています。多くの企業や行政が環境配慮を志向する社会のなかで、当社グループをビジネスパートナーに選んでいただける良い流れができており、実際に数々の新規案件獲得に発展しています。これは、当社グループの住宅・商業施設・オフィス・ホテルなどの複合開発力、ビジネスパートナーとの共創力や持続可能な管理・運営力といったノウハウに加え、環境先進企業としてのブランド力や実績が評価された結果だと考えています。

今後もこうした成功事例を増やし、ステークホルダーの皆さまから選ばれ続ける企業になることで、強固で模倣困難なビジネスモデルの構築へとつなげていきます。

経営戦略と連動した人財戦略のもと人的資本経営を推進

少子高齢化による労働人口の減少に歯止めが利かない昨今、人的資本の重要性はこれまで以上に高まっています。当社グループは、経営戦略と連動した人財戦略に基づく人的資本経営の推進を通じて、「価値を創造し続ける企業グループ」と「誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来」の実現をめざしています。100社超・約3万人の社員の知識・スキルや意欲を「人的資本」と捉えて積極的に投資し、経営基盤を強化することでグループ総合力の最大化を図り、絶え間ない価値創造を続ける人財集団へと変革していきます。

ありたい姿の実現に向け、当社グループは“すべての従業員が「挑戦するDNA」と「社会に向き合う使命感」をもち、サステナブルな社会づくりと成長を目指します”というグループ人財理念を掲げました。その理念のもと、「価値を創造する人づくり」「多様性と一体感のある組織づくり」「働きがいと働きやすさの向上」の3つの人財戦略を進めています。それぞれの戦略に基づくKPIをグループ共通で定めることで、人財育成・組織風土改善に向けた施策を継続的に実行できるよう仕組み化しています。

「ありたい姿」⇒「GROUP VISION 2030」⇒「中期経営計画」⇒「東急不動産ホールディングスグループの人的資本経営」の流れを表した図
各事業における課題を捉え、事業特性に応じた人財戦略を進める

当社グループには資産活用型ビジネスと人財活用型ビジネスがあり、それぞれの事業の特性に応じた人財戦略を進めています。

資産活用型ビジネスでは、不動産開発業における事業モデルの改革を進めるために、全社横断的な人財育成が課題であると捉えています。同ビジネスの中核を担う東急不動産では、2022年度に人事制度を改定し、めざすべき社員像として「事業プロデュース集団」を掲げました。企画力、実行力、影響力、人財開発・組織開発力、倫理観という5つの求める人財要件を設定し、それに応じて研修を体系化しています。

また、人財活用型ビジネスでは、自部門に限らず全社の事業・リソースを活用してお客さまに付加価値を提供できる人財が生産性を高めます。東急リバブルでは求める人財像を「マルチバリュークリエイター(MVC)」と定義し、MVCの育成・配置の仕組みづくりを行っています。不動産仲介業は従来、個人業績だけを追求しがちな傾向がありました。しかし、不動産情報を有効的に活用するためには、部門間の連携や相互理解、知見共有が不可欠です。そのため、管理職勉強会・座談会の開催や、異動を希望できるキャリアチャレンジ制度、他部門の業務を体験できる社内インターン制度などを運用し、MVCの育成に取り組んでいます。

美しく豊かなまちを形成し未来社会へとつなぐためには、私たちにとって自然、社会、そして個人のすべてが重要な資産です。社員一人ひとりがその理解を深め、企業文化に根付く「挑戦するDNA」に共鳴し、事業活動を通じて持続的な成長と企業価値向上に貢献していきます。

タイトル
  • 選択肢1
  • 選択肢2
東急不動産ホールディングス(株)
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