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トップコミットメント

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2014年に発表した7カ年にわたる中長期経営計画「Value Frontier 2020 価値を創造し続ける企業グループへ」が折り返し地点を迎えました。

幅広い事業展開と長期持続的なお客さま接点を強みに、常に時代の半歩先を行くライフスタイルを提案し、価値を創造し続ける企業グループの実現に取り組みます。東急不動産ホールディングス株式会社 代表取締役社長 大隈 郁仁

中長期経営計画の後半期(ステージ2)に際して

2014年に発表した7カ年にわたる中長期経営計画「Value Frontier 2020 価値を創造し続ける企業グループへ」が折り返し地点を迎えました。

まずは、中長期経営計画の前半期(ステージ1)を振り返りたいと思います。2016年度の営業利益は732億円(2013年度614億円)、DEレシオは2.6倍(2013年度2.7倍)となり、「中期経営計画 2014-2016」で掲げた目標を達成しました。この3年間で、着実な利益成長と財務基盤の強化を実現することができたと自負しています。2016年3月には、日本一の商業地である銀座に、東急グループの東の拠点となる大型商業施設「東急プラザ銀座」を開業しました。当社グループが得意とする「地域に溶け込み、地域から愛される街づくり」を実践し、今後も銀座の街と一体となって新たなにぎわいを創出していきたいと考えています。

2017年度からは、中長期経営計画の後半期(ステージ2)です。私たちを取り巻く事業環境や社会・経済環境が大きく変化するなか、新たな中期経営計画を策定するにあたり、まず当社グループにとって長期的に重要な社会課題(マテリアリティ)を特定しました。そして、特に着目すべき環境変化として、グローバルな都市間競争の激化、インバウンド需要の増大、ストック関連やシニア関連の市場拡大などを抽出しました。そのような環境認識のなかで、今回の「中期経営計画 2017-2020」を策定し、2020年度の財務面の目標を、営業利益930億円、当期純利益420億円、DEレシオ2.3倍程度、EBITDA倍率10倍水準と定めました。2014年の中長期経営計画策定時点では、2020年度の営業利益目標を1,000億円としていましたが、大型プロジェクトのスケジュール変更などの影響を受け、より長期にわたって安定的に成長することが企業価値向上に資すると考え、軌道修正を図りました。
一方で、当期純利益を新たに目標指標とし、株主還元を意識した経営により、これまで以上に株主の皆さまの期待に応えていく所存です。

※「 当期純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」のこと。以下に同じ。

グループの多様性と独自性を活かした価値創造へ

中期経営計画の策定にあたって社内で繰り返し議論を重ねたのが、当社グループの将来像や「グループらしさ」の具体的なイメージです。私たちはグループのありたい姿として「価値を創造し続ける企業グループ」を掲げていますが、その価値創造の理想形を描き、具現化するのが経営者の役割です。

私は、幅広い事業展開と豊富なお客さま接点により、お客さまのライフステージに合わせた商品・サービスをグループ全体で提供できることこそが、他社にはない当社グループの強みだと考えています。そして、私たちが持つ多種多様な商品・サービスを組み合わせ、ハードとソフト一体の価値を提供することで、 ハコやモノの枠を超えてライフスタイルを創造・提案していく。それが、グループの多様性と独自性を活かして「グループらしさ」を発揮した価値創造なのだと考えています。

暮らしの起点となるマンション、シニア住宅、学生レジデンスは、新しい住まい方の提案へ。賃貸・管理を軸とするオフィスビルは、新しい働き方の提案へ。そして、商業施設、リゾート施設、ホテルなどの運営力が真価を発揮するアセットは、新しい過ごし方の提案へ。就学期から就業期を経てセカンドライフに至るまで、生活のあらゆるシーンで商品・サービスを提供する私たちには、地域社会やお客さまと長期的リレーションを構築する機会が豊富にあります。この機会を最大限に活かして、長期持続的な街づくりやストック型社会への対応など、事業を通じた社会課題の解決に取り組み、持続可能な企業価値向上の実現を図ります。

後半期(ステージ2)においては、「Value Frontier 2020」で定めた2つの基本方針「関与アセット拡大」および「新たな需要創出」を継続しながら、2021年度以降の次のステージを見据えて、将来の新たな収益の柱の確立および安定的なキャッシュフロー創出に向けた活動に取り組みます。具体的には、グループ総合力を活かした新しい価値創造を世の中に提示しながら、3つの成長戦略を推進していきます。これから順番にご説明します。

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3つの成長戦略にかける想い

ライフスタイル提案型の街づくり

第一の成長戦略は、「ライフスタイル提案型の街づくり」です。先ほど述べたように、地域社会やお客さまと長期的リレーションを構築しながら、生活のあらゆるシーンで、新しい住まい方、新しい働き方、新しい過ごし方を提案していくことは、当社グループならではの価値創造の取り組みです。この強みを活かして、常に時代の半歩先を行くライフスタイルを提案しながら、これまでにない街づくりを進めていきます。

その柱のひとつは、「広域渋谷圏構想」です。私たちのホームグラウンドである渋谷周辺は、青山、表参道、原宿、恵比寿、代官山など、個性豊かな街が複合的に結びつき、職・住・遊・学・憩・創など、多彩な都市機能を包含する魅力的なエリアです。私たちは、この渋谷駅を中心とするエリア一帯を広域渋谷圏と定め、グループの重点拠点として位置づけてきました。「広域渋谷圏構想」では、これら当社グループの主要物件が集積するエリアにおいて、個別プロジェクトの開発からエリアマネジメントや管理・運営までを含めたグループの独自性を打ち出す街づくりを進め、関与アセットの価値向上を図ります。「点」から「面」への開発を進め、長期持続的で広がりのある街づくりを展開していくためには、アセットを保有するだけでなく、その中身、すなわち管理・運営などのノウハウを活かしたソフト面での充実・差別化が欠かせないと考えています。

渋谷駅周辺の再開発においては、IT企業の集積、豊かな住宅地、商業・文化・トレンドの発信、良好なアクセスという渋谷のポテンシャルをさらに高めるべく、東急グループの一員として「エンタテイメントシティSHIBUYA」の実現に取り組んでいます。

もうひとつの柱は、「世代循環型の街づくり」です。当社グループでは、2017年9月に街開きを迎える「世田谷中町プロジェクト」や2019年度竣工予定の「十日市場プロジェクト」などで、分譲マンションとシニア住宅の複合開発を進めています。これらのプロジェクトは、国内の重要な社会課題である高齢化や子育ての問題にひとつの解決策を提示する試みです。分譲マンションからシニア住宅への住み替えや地域に開かれた共用施設や保育園の設置など、コミュニティマネジメントを付加した地域社会とのつながりを育む街づくりで、多様な住まい方や健康生活の社会ニーズに応えます。多世代交流のある都市生活を実現し、ここから多種多彩なライフストーリーが誕生するような街にしていきたいと考えています。

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循環型再投資事業の領域拡大

第二の成長戦略は、「循環型再投資事業の領域拡大」です。当社グループでは、かねてよりグループの上場REIT・私募REITなどとともに、開発、保有・運用、売却、再投資というサイクルで賃貸事業のポートフォリオの拡充を図る「循環型再投資事業」を推進し、持続的な事業サイクルの実現に取り組んできました。

この循環型再投資事業の対象領域は、これまではオフィスビル、商業施設、賃貸住宅が中心でしたが、今回の成長戦略では、新たにインフラ・インダストリー、ホテル・リゾート、学生レジデンスへと対象領域を拡大することで収益力強化を図ると同時に関与アセットを拡大する方針です。これにより、当社グループの運用資産(AUM)は、2020年度には1.3兆円(2016年度0.8兆円)まで拡大する計画です。

また、今後も継続的な経済成長が見込まれる米国では、ニューヨークのマンハッタンで開発が進む大型複合ビル「425パーク・アベニュー」のプレゼンスを活かして、早期に事業基盤を整備し、積極的な事業拡大を図ります。

ストックの活用強化

第三の成長戦略は、「ストックの活用強化」です。国内市場は人口減少で新たな需要が減り、フロー型社会からストック型社会へのシフトが加速しています。

私たちは、拡大するストック市場を大きな機会と捉え、すでに業界トップクラスの管理戸数を誇る管理事業、そして全国に売買仲介ネットワークを持つ仲介事業の飛躍的成長を図ります。これらは、いずれも当社グループの広がりを象徴するストック活用型事業であり、まさにこれからの時代に必要とされる不動産ビジネスであると認識しています。

当社グループは、マンション、オフィスビル、商業施設、賃貸住宅のみならず、公営住宅、空港などの公共公益施設を含む多種多様な不動産に関与しています。

今後、これらの管理ストックのさらなる拡大を図り、関与するアセットやお客さまから派生する事業機会を積極的に獲得するとともに、仲介事業においては不動産流通情報の最大活用を進めます。このような取り組みを重ね、ストック活用型事業の成長を実現していく計画です。

幅広い事業領域でグループの強みを発揮する

4つのコア事業セグメント

続いて、セグメント別の事業戦略についてご説明します。当社グループでは、社会課題や事業環境の変化にグループ全体で柔軟に対応できる事業ポートフォリオを、7つのセグメントにより構成しています。そのうち、収益の柱であるコア事業に位置づけているのは、都市事業、住宅事業、管理事業、仲介事業の4つです。

都市事業では、グループの中核を担う強固で独自性のある事業展開をめざして、街・エリア価値の共創や循環型再投資事業の領域拡大を積極的に推進します。私自身も強い思い入れのある渋谷再開発や浜松町・竹芝の大型プロジェクトについては、それぞれのエリアのポテンシャルを最大限に引き上げ、皆さまの期待を超える魅力的で活気あふれる街づくりに取り組みます。

住宅事業では、都心、再開発、複合開発において規模拡大を図り、グループ総合力を活かして独自のプレゼンス確立をめざします。

総合不動産管理会社として圧倒的No.1をめざす管理事業では、さらなる関与アセットの拡大を図るとともに、グループ各社との連携を強化し、仲介業やリフォームなどストックを起点とした事業機会の獲得に努めます。

業界トップクラスの取扱件数・取扱高を誇る仲介事業では、幅広い事業領域を活かして、それぞれのお客さまのニーズに合わせた最適解を見つけ出し、多彩な価値を付加する「不動産情報マルチバリュークリエーター」をめざします。

5本目の柱をめざすウェルネス事業

余暇、健康、シニア分野を対象に、豊かな時間と体験を提供するウェルネス事業では、長年培ってきた開発力と運営力を強みに、ウェルネス領域における業界トップポジションの確立をめざします。当社グループのウェルネス事業は、時代に先駆けて多彩な施設やサービスを開発・運営してきた歴史があり、不動産業界のなかでも独自性が際立つ存在です。インバウンド需要の増大や拡大するシニアマーケットを背景とした良好な事業環境のもと、規模拡大を進めるとともに、当該領域での循環型再投資事業を推進し、2020年度までにグループにおける5本目の収益の柱(新たなコア事業)とする予定です。

圧倒的なブランド力を誇るハンズ事業は、グループの付加価値向上に資する事業と位置づけています。ライフスタイル創造・提案No.1ブランドをめざして、さらなるブランド強化および収益構造の転換を図ります。

次世代・関連事業では、海外事業における総合デベロッパーとしてのプレゼンスを発揮するため、引き続き米国およびインドネシアを中心に事業を強化していきます。特に米国の安定的成長は、私たちにとって大きな成長機会になると考えており、アセットアロケーションの観点からも事業を強化する方針です。

事業セグメント

(図)事業セグメント

財務基盤の強化で次なる成長へ

ここからは財務戦略についてご説明します。まずは投資計画です。後半期(ステージ2)の4カ年におけるグロス投資額は、1兆2,300億円を見込んでいます。

都市事業においては、渋谷再開発などの既定主要プロジェクトでの投資に加え、オフィスや商業施設、インフラ・インダストリーなどの新領域での新規投資も見込み、固定資産および棚卸資産を合わせて7,800億円の投資を計画しています。新たにコア事業として成長を見込むウェルネス事業においても、ホテルやシニア住宅など、1,350億円の投資を計画しています。そのほか、分譲マンションや投資家向け賃貸住宅を含む住宅事業や、米国・インドネシアを中心とした海外事業での投資を予定しています。

グロス投資額は1兆2,300億円ですが、循環型再投資事業による回収を見込み、ネット投資額は3,700億円程度とする計画です。これは2020年度末の有利子負債残高1兆2,600億円、DEレシオ2.3倍程度を前提としています。

私は、今後の安定的な成長のためにも、適時適切かつ機動的に投資を実行できるよう、財務基盤を強化していくことが重要な経営課題だと認識しています。

財務の健全性を評価するDEレシオは、自己資本の拡充により、2016年度2.6倍(2013年度2.7倍)まで改善しました。引き続き、期間利益の積み上げなどで自己資本を積み増すことで、2020年度には2.3倍程度をめざす計画としています。

同時に、今後の大型プロジェクト稼働を控え、キャッシュフロー創出力の強化を強く意識するために、EBITDA倍率を新たな目標指標とし、2020年度に10倍水準の達成をめざします。

株主・投資家の皆さまと長期的な信頼関係を築く

私たちは引き続き、株主・投資家の皆さまとの長期的な信頼関係づくりに積極的に取り組んでまいります。

株主還元については、安定的な配当を継続維持するとともに、配当性向の目標を25%以上に設定しています。

2016年度の配当金は1株当り年間13円で、4期連続の増配となりました。2017年度は1株当り年間14.5円を計画しています。今回から新たに目標指標に設定した当期純利益を意識することで、着実な利益成長による増配をめざします。優待施策も拡充しており、特に長期保有株主の皆さまに向けては、所有株式数に応じて東急ハンズ商品や当社グループ施設利用券をお選びいただけるカタログギフトの進呈を行っています。

2016年度は、個人投資家向け会社説明会を計6回開催しました。これは、個人投資家の皆さまに当社グループの経営戦略や事業内容への理解を深めていただくことを目的とするものです。

また、新たに役員の株式報酬制度を導入しました。株価の変動による利益・リスクを株主の皆さまと共有することで中長期的な企業価値向上に向けた意識を高めることを目的としております。株主の皆さまと一体となった経営を進め、皆さまの期待に応えてまいります。

1株当たり配当金の推移

(グラフ)1株当たり配当金の推移

ESG経営が持続的な成長をもたらす

当社グループでは、持続的成長と長期的企業価値向上を実現するため、「事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、ステークホルダーの皆さまの満足を高める」というグループのCSRビジョンのもと、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重要な経営課題と位置づけ、ESG経営を推進しています。

冒頭にも述べたとおり、今回の中期経営計画を策定するにあたり、当社グループの重要なマテリアリティ(社会課題)を各分野の社外有識者とともに特定しました。その結果を踏まえ、ESGの観点から4つのテーマ「コーポレート・ガバナンス」「働き方改革」「ソーシャルニーズ」「環境」を策定し、それぞれに2020年度の目標値(KPI)を設定しました。今後は、このKPIによるマネジメントを進めます。

経営の公正性と透明性を高めるため「コーポレート・ガバナンス」においては、2016年度以降、独立社外取締役の3名体制化、指名・報酬委員会の設置、役員の株式報酬制度の導入、取締役会実効性評価の実施など、着実な改善を重ねています。

また、従業員一人ひとりの「働きがい」に勝る組織の活力はないと考え、ダイバーシティ、ワークライフバランス、健康経営の観点から、グループ全体で「働き方改革」に取り組んでいます。

今後も、リーダーである私が率先してESG経営を推進し、公平性と透明性のある情報を社外へ開示することで、投資家を含むすべてのステークホルダーの皆さまからの信頼獲得に努めてまいります。

挑戦するDNAで自ら変革をリードする

現時点で、東京五輪が開催される2020年以降の事業環境を見定めることは大変難しいことですが、私は当社グループのミッションは大きく変わらないと考えます。

価値を創造し続ける企業グループとして、ハコやモノの枠を超えてライフスタイルを創造・提案する。新しい住まい方、新しい働き方、新しい過ごし方を提案し、生活のあらゆるシーンで選ばれる存在になる。それが私たちのめざす姿であり、当社グループが社会に存在する意義です。

お客さまや社会から必要とされ続けるためには、盤石な経営基盤を整えると同時に、変化に柔軟かつ果敢に挑む「挑戦するDNA」が不可欠です。グループで長年培ってきた「挑戦するDNA」を自ら発揮し、不確実な未来を見据えた経営と変革をリードしてまいります。今後とも、当社グループへの変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
 

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